終の住処としてマンションや一戸建てを購入しようとお考えの方も、転勤ではじめての土地で住まい探しをされる方も、子育て世代なら気になるのが「良い学区」の探し方と見つけ方。
夫の仕事の都合で引っ越した、知人ひとりもいない土地で妊娠・出産し、小学校入学までの5年間で調べに調べた「良い学区」を探す上での考え方・探し方・選び方・決め方をまとめました!
じっくり時間をかけて検討したい方にも、急な転勤で急いで調べたい方にも役立つ方法をご紹介します!
公立の小学校はどこもみんな同じ?
「今の小学校の学区決めるのに、めっちゃ時間かけたよ!」
と友人に話すと必ず聞かれるのが、
「公立の小学校なんだから、同じ市内ならどこも同じなんじゃないの?」
という質問。
確かに、私もそう思ってました。
長男が生まれて児童館に足を運ぶようになるまでは。
小学校を管轄するのは市区町村の教育委員会。先生は同じ教育委員会から数年ごとに転勤するし、使う教科書も同じ。
それなのに、「学校によって、環境や学力レベルが全然違うんだよ!」ということを複数の先輩ママさんから聞いたのです。
当時私たち家族が住んでいたのは、ターミナル駅に数駅ほどの、街中の住宅地でした。
新しいワンルームマンションと、昔ながらの戸建てと、町工場がぽつぽつ残るいわゆる下町エリアです。
その地域に暮らすのは夫婦ともに初めてだったので、「〇〇駅から通勤30分以内でしたら、このあたりが便利で家賃が安い、メリット大きいですよ!」と不動産屋さんにオススメしてもらって決めました。
引っ越し当初はまだ妊娠前で、「子どもの教育」なんて全く頭になく、「駅からも近いし、商店街も便利だし、家賃もそこそこで住みやすい!」ととても気に入っていました。
すぐに妊娠・出産し、地域には知り合いの一人もいなかった私は0歳から地域の児童館のベビークラスに足を運ぶようになりました。
しかも、もっとも近所の児童館だけでなく、出歩く口実にあちこちの児童館に顔を出したのです。
そこで驚いたのが児童館に集まるママたちの雰囲気の違い。
服装、髪形、話題に口調。
中高大学まで一貫の私立育ちだった私には結構なカルチャーショックがありました。
ある日ふと「地域によってママさんの雰囲気って違うものだね」と夫に漏らしたところ、驚くべき答えが返ってきました。
!!ナニそれ!!
「高級住宅地」のようなおおざっぱなくくりではなく、小学校の学区単位で「人気の学区」「不人気学区」があること。
地元で長年住んでいる人なら、なんとなく知っているけど、外から見ただけでは一見わからないこと。
1歳になった子どもが、小学校に入学するまであと5年。
それまでの間に、「良い学区」とやらを見つけてやろうじゃないか!!
調査魂に火がつきました。
「環境のよい学区」とは結局なんなのか
子どもにどんな教育環境を提供したいのか
親がどんな環境で子育てしたいのか
「良い学区」を探すには、結局これらのかけ合わせを、自分たち夫婦で見極めることが必要です。
多くのご家庭で、気になるポイントをピックアップしました。
私立中学受験率はどれくらいか
多い学校で過半数、少ない学校では1学年に数人程度。
同じ公立小学校でもこれだけの受験率の違いがあります。
つまり、4年生以降、塾に通いだしてから
「みんな塾に行くのが当たり前」の環境になるのか、
「僕だけどうしてみんなと遊べないの」という環境になるのか大きく違います。
受験を予定していないお子さんが受験率の高い学校に入れば、遊び仲間がいなくなるということです。
どちらがデメリットになるかはご家庭によって異なります。
一般的に「子どもを良い学区の小学校に通わせたい」=「良い教育環境を」ということで、私立中学を検討範囲に入れられている方の割合は高いと思いますが、上位公立高校狙いのご家庭はそこを踏まえて検討する必要があります。
学級崩壊クラスの有無
小学校の授業の進み方、使う副教材、応用問題への取り組み方は学校によって千差万別です。
宿題の量や保護者負担のドリル購入の有無だけではありません。
基本的に公立小学校では「クラスの子どもたち全員が参加できる授業」を前提に進められます。
つまり、その集団の「ボリュームゾーン」に合わせて授業を進めていくことになります。
「静かに座って大人の話が聞ける」習慣を入学前に身に着けてきた子どもたちがメインなのか、そうではないのかが入学後の授業運営に大きく影響するのは確かです。
どんなに「学区がいい」と言われている小学校でも、学級崩壊クラスが発生する可能性はゼロではありませんが、その確率が違うと周辺学校のお話を聞いていて感じます。
進学先の公立中学校はどんなところか
小学校区の評判と、中学校区の評判が違うケースがあります。
- 中学受験率が高く、優秀な子どもたちがごそっと抜けてしまう
- 中学校の部活の選択肢が少ない小規模中学
この2つに両方当てはまると、特に可能性が高くなります。
ちなみに、公立中学→高校入試に照準を合わせるなら内申点が重要です。
そこに大きく影響する部活について、何部があるかチェックしておくと、習い事を選択するうえでの参考になります!
生徒数とクラス数
人気のある校区は、やはり周辺小学校よりもクラス数が多くなる傾向があります。
物理的な校区の範囲やマンション供給数にも影響があるため、絶対的な指標ではありませんが、参考にチェックしてください。
- お子さんのタイプによって、少人数なクラス編成が向くか、たくさんの友人と出会える大規模校が向くか
- 編入で校区を選ぶなら、転校生が多く対応に慣れているか
も考慮にいれましょう!
PTA活動の状況
共働きのご家庭で「不安」を感じる方が多いのがPTA活動について。
実はこのPTAも小学校によって活動スタイルは千差万別です。
- どんな事情があろうとも必ず参加していただきます!と強制力強いところ
- 本部さんが中心で、一般役員さんはほとんど仕事がないところ
- PTAがそもそもない
- 人数が多いので、立候補の方だけ回るところ
とはいえ、PTAは学区を決めるうえでの「最優先事項」にするほどのことではありません。
主役はあくまで子どもたち。
長い6年間の小学生生活の中で、もしもPTA役員をするとしても1年~2年程度の話です。
そして、私の周りではフルタイム共働きのご家庭でも無理なく参加できるPTAが増えてきつつあります。
「やってみたら意外と楽しかった!」といううれしい誤算もあるPTA。もしも参考にできる情報があれば、程度にチェックしてください。
引っ越しも検討する?「環境のよい学区」の見つけ方
それぞれでのご家庭で考える「良い学区」のポイントを決めたら、次はそれをどうやって確認するかです。
学区を確認する
学区の確認で便利なサイトが「ガッコム」です。
住所確認、地図表示だけでなく、
毎年の在籍数や保護者からのコメントなどもチェックできます。
まずは、このサイトで大まかな学校の場所と学区を確認しましょう。
「すぐそばに見える小学校に通うのかと思っていたら、校区の境目で別の遠い小学校だった…!」というウッカリミスをしないように気を付けてください。
できれば、通学路も確認しておきましょう。
中学受験塾の有無
転勤の都合でまったく土地勘がないが、将来の受験のことを考えると学区は大切…という方なら、まずはそのエリアのナンバーワン私立中学へ合格者を多数輩出する大手中学受験塾が教室を構えているエリアをチェックします。
この場合、ターミナル駅は除いて下さい。
ターミナル駅でないにもかかわらず進学塾が複数進出しているエリアには、教育熱心なご家庭が多くお住まいということです。
3LDK賃貸マンションの家賃をチェック
ファミリー向け賃貸マンションの価格を学区ごとにピックアップします。できるだけ、駅からの徒歩分数や築年数、広さの条件が似たもので比較しましょう。
「道一本隔てただけなのに、家賃が2万円違う」という物件がある場合、その大通りが「学区の境目」になっているケースが多いです。
もちろん、家賃の高い方のエリアが人気の学区になります。
戸数の多い市営住宅の有無
一概に市営住宅が環境に大きな影響を及ぼすとは言えません。
しかし、もしもご家庭で中学受験を検討していて
「お友達も同じように受験を目指す環境におきたい」のならば入居条件に「所得の上限」がある大規模市営住宅を抱える学区は避けたほうがよさそうです。
幼稚園の送り向かえ時間帯に街を散策
保育園や幼稚園の登園時間は園によっても異なりますが、8時~9時の間が多くなります。幼稚園への送迎のために園バスのバス停に向かったり、直接登園するお母さんたちの様子をチェックしてください。
私は1キロちょっと、徒歩たったの15分の移動の間に、3つの校区が変わるエリアを歩いたとき、
- 幼稚園の登園で持ってるバックがバーキン(一人や二人じゃない)
- スニーカーに可愛い日除け帽子で公園にいるママたち
- コインパーキングの車止めに腰かけて缶コーヒーで雑談しているママたち
を300メートルの学区おきに目撃しました。
と思った私は、
「セレブでもなく、マナー悪くもない、ふつうのお母さんたちが多数派の校区を探すぞ…!」と固く心に誓ったのです…。
学校公開日を活用して見学
授業参観に参加できるのは保護者だけですが、地域の方に学校を自由に見学できるよう開かれた「学校公開デー」を設けている場合があります。学級崩壊をしているクラスは妙に「2人目・3人目」の先生が多く配置されます…。
児童館の職員さん・地域の先輩ママさんたちに教えてもらう
最終的に最も役に立ったのは、結局地元の先輩ママさんの口コミです。
・〇〇小は、放課後倶楽部と校庭開放が充実しているから、学童要らず
・PTAの縛りがきついのは〇〇小
・△△幼稚園に入るなら、ほとんどの子は〇〇小学校に入学する
「ママ友なんていないし、聞けないよ…」と思われた方、助けになるのは児童館の職員さんたちです。
児童館の多くは、放課後の学童の受け入れ場でもあります。なかには複数の小学校から同じ児童館に受け入れているところも。
とはいえ、職員さんにストレートに「良い学区は…?」と聞いても当然理由について答えにくいところがあります。
「受験する子が多いような小学校ってあります?」という聞き方をするのが相手の応えやすい質問の仕方です!
学区変更の計画はないか教育委員会に確認する
これはめったに起こることではありませんが、
都心部含めて、学校の統廃合が計画されるのは実行の数年前です。
なぜか、「現在の小学校在籍の保護者」にしか通知されません。そのエリアに住んでいる「実際の学区変更当事者」には知らされないのです。
学区について、非常に重要だ!とお考えの場合は、住宅購入の前にお住いの教育委員会に念のため問い合わせしてください。
小学校の学区選びが思っていた通りにはならなくても…
自分が私立中に進学したからこそ、
我が子には「地元のお友達がたくさんできて、自分の意思で学校を選んでほしい」と考えて、
・毎日校庭開放があり、学校で安心して遊べる
・小規模校で先生の目が届きやすく、のんびり過ごせる
を決め手に小学校を選びました。
実は、入学後、「うちの子私立中の方が向いてる…?」と
方向転換したため、「予定通り」の結果ではありません。
一方、もしも引っ越していなかったら入学していた学校区の友人から
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