中学受験のための塾通いが本格的にスタートすると、夫婦間で様々な話し合いをされると思います。
こどもの教育についての考え方は、夫と妻のあいだで、意見が分かれてしまうことが珍しくありません。
それが原因で夫婦喧嘩に発展してしまい、子どもの心まで傷つけてしまった…という話も。
ずっと付き合える地元のお友達と部活や習い事を楽しみながら、小・中学生時代を過ごしてもらいたい!という教育も、子どもの個性にあった特徴的な教育機会を活かしてあげたい!という選択も、
メリットとデメリット、両方存在することはよく理解しているはず。
大切なことは、我が子、我が家庭にとってのベストを考えるということ…ときちんと理解しているはず。それなのに、なぜか家族の、そして夫婦の絆が中学受験によって割かれてしまっていませんか?
将来の職業選択に大きな影響がある中学受験を、キャリアコンサルタントの視点でどう考えるか?
実は数年前まで中学受験に対して異なる意見を持っていた私たち夫婦がどのように意思統一をしたのか?
中学受験にむけて勉強中の小学生の母が現在進行形でまとめました!
目次
中学受験、夫婦できちんと話し合いしましたか?
我が子にどんな教育機会を提供したいのか?
産まれたばかりの、どんな可能性もある赤ちゃんを目の前に、子どもの将来をあれこれ話した…のが、実は最後の夫婦の話し合いだったりしませんか?
中学受験について、夫婦の意見が合わない、という話をよくよく聞いてみると、実はきちんとした話し合いの上での結論を出していないと言うケースがたくさんあります。
受験するという点については共有できていても、具体的に「決めなければならないこと」はたくさんあり、その一つひとつについては意外と夫婦の話し合いがスルーされていることも少なくありません。
- 目指す学校はどう設定するか
- 通学可能範囲をどこまでにするか
- 共学か男子校・女子高どちらを選ぶか
- 公立中学という選択肢を捨てるかどうか
- 何年生からどこへ通塾するか
- 親はどこまで勉強を見るか
- 塾以外の追加費用のかかる学習をさせるか
- 兄弟全員受験するか、やりたい子だけ受験するか
- 本人が希望している習い事はどうするか
- 子ども本人が受験を嫌がったらどうするか
- 塾への送り迎え体制はどうするか
- かかる費用のめどはついているか
- 受験することを周囲にオープンにするか
- 子育て全般に家族以外の協力をうけられそうか
- お父さん、お母さんの役割分担
まだまだ他にも細かく「決めなければならないこと」があります。
中学受験にまつわる「親が関与しなければならないこと」については、主にお母さまに強い負担がかかるケースが多くなりがちです。
そのぶん、
と不満がたまってしまうことも。
明るく楽しい家庭環境が子どもの成長に大切だと頭では理解しているのに、気持ちが追い付かない…
こんなモヤモヤは早く解消したいですよね。
「自分の経験」から判断する私たち
中学での受験を選ぶと、
「小学生の我が子に諦めてもらわなければならないこと」が出てきます。
それは親や兄弟にも起こることです。
選んだことが本人にとってより良い人生に結びつく結果になるのか、「絶対」の保障はありません。
しかし、自分の無意識のなかで、「絶対」という言葉を使っていませんか?
中学受験に限らず、日々積み重ねていくさまざまな「判断」の基準は、これまでの経験から導き出されたものです。
「小学校は毎日公園で思いっきり遊び、中学では柔道部のエースとして地元の強豪高校に進学し、六大学からスカウトが来た」という経験を持っているAさんと、
「小学校では塾の友達の方が楽しかった。第一志望の中高一貫校に進み、六大学に推薦で進んだ」という経験を持っているBさんがいるとします。
結果として同じ最終学歴を持っていることになりますが、AさんとBさんの成功体験はそれぞれ違います。
また、成功した=その経験を引き継がせたいと考える方だけではありません。
「自分は〇〇せずに失敗したから我が子にはやらせたい…」
という思考を持つCさんもいるからです。
いずれにせよ、「自分の経験」が判断に大きく影響することは間違いありません。それを自覚せず、「一般常識だ」と思い込むことによって、異なる意見を無意識に「排除」してしまうことがあります。
「受験するなら、絶対に4年生までには準備をはじめないと」
「絶対に私の方が子どものことを考えてる」
などなど、「絶対・必ず」という言葉が自然と口から出てきてしまう…なら、要注意です。
キャリアコンサルタントとして、多種多様なキャリアのお悩みに対応するとき、
必ず確認することがあります。
「自分で自分のことを決めるようになったのは何歳くらいからですか?」
結果がどうであれ、「自分で決めた」という意思がその後の行動と自尊心を支えるからです。
学歴を問わず「自分で自分のことを決めてきた習慣」のある方がより良い仕事人生を送られているのも強く実感します。
- 「小学生の子に自分で決めるなんてできない」
- 「主人は頼りにならない」
- 「妻はわかっていない」
そんな排除をしていませんか?
「自分の経験」を家族にも伝えましょう。
「こんな経験をして、こう考えるようになったんだけど、あなたはどう思う?」という話がお互いにできればベストです。
中学受験に夫賛成・妻反対のケース
中学受験をするにあたって、意外と「悪くない」のがこちらのケース。
旦那側が受験に前向きで、妻側が後ろ向きな組み合わせです。
まず、費用のことで揉めることが少なくなります。
接する時間が多いママの側が「受かっても受からなくても、どっちでもいいよ!」というおおらかさを保てることで、過度のプレッシャーを子どもにかけてしまうリスクも減らせます。
実際に子どもの送り迎えをしたり、お弁当の用意をするのはママになることが多いので、自然とパパ側も「よろしく!協力してね!」とママに声をかけることも増えることに。
ただし、ママの反対の理由が
「中学から私立に行く必要はないんじゃない?」ではなく
「ほかに取り組んでほしい何かがあった」なら対立は根深くなるかもしれません。
「本当は野球を続けてほしかった。幼稚園からの仲良しもみんな野球チームに入っているのに…」といった理由です。
中学受験準備をスタートさせると決めたときに、「今さら言い出せなかった」という思いがあると余計に根が深くなります。
「どうも妻が協力的でなくて困る」という旦那様、
今からでも
「中学受験、スタートしてみて実際のところどう思う?」と会話してみて下さいね。
中学受験に妻賛成・夫反対のケース
多いのがこちらのケース。
特に、パパが地方出身で「公立優位」な環境で育った場合に、よく起こりがちです。
小学生でかかる塾の費用だけでなく、実際に進学すれば「中・高」一貫の6年、私立の授業料を負担しなければなりません。
授業料だけでなく、
高額な制服代、
地元中学に進学すれば不要だった定期代、
寄付金、
海外研修などの実費負担…上げれば切りがありません。
夫本人が「私立中学の環境」に意義を感じていない限り、
「単なる浪費をしている」ようにしか思うことができません。
「費用対効果が悪い」
「ほかにやるべきことがあるだろう」といったご意見の旦那様の場合、
「やるなら勝手にやればいい。僕は受験には協力しない。」となりがち。
中学受験がきっかけで離婚や別居…家庭崩壊を防ぐ声掛け
完全に「親の意思」で動く小学校受験とは少し異なり、
「本人が僕も塾に行って私立中に行きたい」と言い出したり、
「やっぱりダンスを続けたい」と勉強を拒否することもあるのが中学受験です。
そんなとき、お父さんとお母さんが言うことが全くバラバラでは、子どもにとって有益な声がけになるの難しいでしょう。
「自分で自分のことを決める」訓練をする良い機会として「中学受験」を活用するのなら、応援する家族も一緒に、その姿勢を見せましょう。
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「子どものことなんだから、同じくらい真剣に取り組んでほしいのに」