結婚直前のカップル、将来に向けてコツコツ貯蓄をしたい共働き夫婦、子供の教育費がぐっと上がる40代~50代夫婦、定年間近世帯まで、「お小遣い」は家計の予算を見直す時に必ずと言っていいほど検討に上がってくる項目ですよね。
なんとなく、「給与の〇割」や「定額〇万円+ボーナス時」など、金額や割合を決めてしまう方法が一般的なのかな…?と考えている方が多いのですが、実はこの決め方、単純ではありますがお互い不満がぶすぶすとくすぶってしまう可能性があります。
- 夫婦にお互い不満がない
- 家計に過度な負担がない
- 少額でもコツコツ貯金が出来ている
こんな理想的なお小遣いの決め方のコツは、
「夫婦で相談し、必要な額を納得して決める」ということ。
そのための基礎知識をまとめてご紹介します!
お小遣いの内訳から額を考える
「必要な額を納得して決める」ためには、「給料・収入の〇割」という決め方では不十分です。
なぜなら、人によって「お小遣いで賄わなければならないもの」とその金額が異なるから。
お小遣いの額は交友範囲や将来への投資、健康管理にも大きく影響するだけに、「少なければ少ないほどいい」というものでもありません。
「何にお金を使う価値を感じているか」を夫婦ですり合わせすることはほかの家計についての話し合いにも関わります。もちろん、そもそも「お小遣い制」をとるか夫婦別会計にするかも、まずは検討が必要でしょう。
まずは、以外と抜けてしまいがちな「お小遣いでカバーする範囲」の候補についてチェックしましょう!
※とはいえ、「よそのご家庭では夫のお小遣いはどれくらいなの??」が気になる奥様は新生銀行グループ「サラリーマンのお小遣い調査」最新版をチェック!
お弁当にする?「昼食代」を渡す?
お小遣いの額を決定するにあたって、多くの方の状況を左右するのが「朝食代」の必要度です。
- 社員食堂があり、自己負担分の200円は給与から天引きになる
- 毎日愛妻弁当を持参する
- 基本昼食は外食。ランチをとれるところが高く、毎食1000円近くかかってしまう
- コンビニのお弁当が定番
これだけ状況が違えば、「毎月3万円」のお小遣いでは実質的な「自由度」が大きく異なってきます。
しかも、昼食の予算は本人だけの意思でコントロールできません。
昼食代は、周囲の同僚に合わせた平均的な額を用意しましょう。
もしも「昼食代を節約」するにしても、自主的に取り組む場合にとどめましょう。食事は健康管理にも仕事先での人間関係構築にも大きく影響します。「妻」に決定権があってはいけません!
こだわりで変わる「理美容院代」
意外と少なくないのが
「うちの旦那は美容院にこだわりがあって、毎月カットで5000円する美容院に通ってるんだけど、正直何のために必要なのかわからない」という奥様の愚痴です。
こんな旦那様に、いきなり「1000円カット」や「奥さんのセルフカット」を受け入れてもらおうと思っても現実的ではありません。
「長い間の習慣」を変えるのを嫌うタイプは特に難しいのですが、周囲の「旦那も認める若くてかっこいいママ友の旦那さん」が安めの美容院に行っていた…ということを知ったりすると、「そこでもいいか」となったりします。
いきなり押し付けるよりは、「おすすめ美容室情報」を教えてあげる程度にとどめましょう!
節約するところじゃない「病院費代」
大人になるとなかなか腰が重くなりがちなのが通院です。
健康な方でも、「1年に1度も病院にかからなかった」という方のほうが少ないのではないでしょうか。
- 定期的にコンタクトレンズの健診に行く
- 虫歯になっていいか歯科にかかる
- 花粉症で毎年数か月は耳鼻科に通う
- インフルエンザの予防接種のため近所の内科へ
この病院にかかる費用を「お小遣い」の範囲内にしてしまうと、
「少し歯が痛いけどまあいいか…」
「頭痛がするけど市販薬を飲んで我慢しよう」
などとなりがちです。
症状が軽いうちに適切に病院にかかれるようにする&症状があることをお互いに伝えやすくするためにもお小遣いとは別だしがお勧めです。
趣味か?実用か?「車・ガソリン代」
車をもたないご家庭では関係がないのですが、持っていると家計に負担が大きいのが車・ガソリン関係です。
車本体のローン以外にも、保険代や車検代、駐車場代などたくさんの経費が掛かってきます。
「塾の送り迎えや買い物で、専業主婦の奥さんも使う」
「ほぼ週末のお出かけで家族全員で乗る」
というパターンだと家計費にいれるご家庭が多く、
「ファミリーカーと別で、完全に旦那さんしか乗らない趣味の車」であればお小遣いに含むで夫も納得します。
「外出時は家族で乗ることもあるけれど、基本的には旦那さんの趣味で、奥さんは車はいらないと思っている」パターンがもめがちです。
しかし、老後の資金など「将来に対しての不安」を主張して趣味費を削減するのは、ガマンしている方が「何のために我慢しているんだろう」という不満を抱きがちです。
「家を買うため」
「あと1年で子供の塾が始まる」
など、具体的に「今必要なお金」が発生したときに、検討を提案してみましょう。
ほんとはやめてほしい「たばこ代」
「健康に悪いから!」と禁煙を勧めたけれど、
「タールがない電子タイプにしたよ!」なんて言い訳ばかり。費用は同じくらいかかってるのよね、という愚痴をよく聞きます。
と分かっていても完全に禁煙するには地獄の苦しみがあるのがわかっているだけになかなか踏ん切りがつかないものです。
そのつらさ、不安に共感するところから始めましょう。どちらにしても、本人の意思がなければはじまりません。
お小遣いの範囲の中の「使用の用途」については口を出さないのが夫婦円満の秘訣です。
仕事で必要?「飲み会代」
サラリーマンの「お約束」、会社の人間関係との飲み会の費用をお小遣いに含めるか、奥様と旦那様で意見が違ってしまうのが
という点です。
上司との付き合い、歓送迎会の2次会など断りづらいものもあるのは確かですよね。
しかし、だからと言って際限なく費用を持つわけにもいきません。ある程度の範囲内で「自分でコントロール」するためにはお小遣いに含めたほうがよいでしょう。
ただ、会社の飲み会は毎月平均的にあるものではないですよね。忘年会や歓送迎会など、あらかじめ予定がわかっているものについては「臨時で追加」「ボーナスのお小遣いから」などで対応しましょう!
突発的な「冠婚葬祭費」
大学時代の友人や会社の後輩の結婚式、親戚への入学祝やお年玉などの冠婚葬祭費。円滑な人間関係のためには、「削る」べき支出とは言えません。
特に結婚式となると、遠方に住んでいれば交通費や宿泊費も必要になるため、月のお小遣いでは対処できないのが現実です。
貯金について、「ちょっとたまったら崩せないようにすぐ定期や投資信託に全額入れてしまう」という方もいらっしゃいますが、ある程度手元に置いてすぐに出し入れができる貯金も夫婦で生活していく上では大切です。
「月の給与の手取り1ヶ月分」を目安に、削ることが難しい支出に対処できるように備えておきましょう。
妻が用意?夫が自分で?「服飾費」
仕事によって、買い物のしやすさによって、服飾にかける費用は大きく違います。まずはなかなか意識していない「これまで服飾にどのようにお金をかけてきたのか」を夫婦ともにチェックしてみましょう。
- バーゲンの時にまとめて買うか毎月新しいものを買いたいか?
- 一点豪華主義かプチプラでたくさん買いたいか?
- 自分で選びたいか誰かに任せてよいか?
このあたりは好みが個人で大きく違います。
服飾費と一口に言っても、下着や靴下といった「必需品」とオシャレのために購入するアパレルもすべて同じお小遣いから支出するか、という問題もありますね。
額が大きくなりがちな服飾費は、しっかりお小遣いに含むかどうかを話し合っておきましょう。
シェアしてるならどうする?通信費(スマホ代)
通話料やパケット代も含めて、「固定費」に計上しやすい料金プランが増えています。固定費として計上しやすくなっていますが、料金プランを定期的に見直すことで節約できる可能性が高いのが通信費です。
「面倒くさいから…」という理由で夫婦別々の携帯会社のままなんとなく契約を分けていたり、使っていないオプションをそのままにしていないか、夫婦のうちどちらかがチェックできるように準備することがスタートです。
さらにもめがちなのがスマホ本体の更新頻度です。高額な本体代の機種も増えているだけに、「ちょっと気分変えたくなったから変えてきた!」なんていきなり機種変更して節約にいそしんでいる相手の怒りを買わないように注意しましょう。
もめる原因「スマホでの課金」
無料だからと始めたスマホのゲームにはまり、いつの間にか高額な課金をしてしまった…というのが原因の夫婦喧嘩をしたことがありませんか?
パチンコなどのギャンブルにお金を使ってしまう・・・というのは昔からよくあるパターンの散財ですが、スマホでの課金はギャンブルと違って「いつ使っているのか」わからないことに加え、その場で現金が必要なわけではないため、発覚するのが遅れます。
しかも、ギャンブルであれば「一攫千金」という実利が発生する可能性もゼロではありませんが、スマホのゲームアプリで手に入れた「アイテム」はそのゲームに興味がない人にとっては「価値ゼロ」としか言いようがありません。
休みの日もずっとスマホを見つめたまま…なんて状況では気が付かれるのも時間の問題かもしれませんよね。
あくまで「お小遣い」の範囲内で、趣味を楽しんでもらえるようにしっかり伝えましょう!
医療費に含めるべき?「サプリ代」
ダイエットに育毛、体の痛みや筋肉増強などなど、今やサプリメントがない分野はないといってもいいくらい種類豊富になっています。
健康を維持するのは大事だけれど、サプリは必ずしも必須項目ではありませんよね。
- 効果もよくわからないのに次々と高額なサプリを購入する
- すでに飲まなくなっているのに定期購入を解除しない
- 睡眠、食事など根本的な対策はしない
こんな状況では焼け石に水。さらに、人によってはサプリが原因で健康に悪影響を及ぼすことも。
- 何のためにサプリをとるのか?
- 効果を実感できているのか?
- リスクはないか?
- 代わりの手段はないか?
これらを検討し、何種類ものサプリを併用することは避けるようにすると、お小遣いに大きく影響することも防げます!
購入するのは妻だけど…「お酒代」
飲み会に参加することは少ないけれど、家で晩酌するのが毎日の楽しみ…という旦那様も多いですよね。
夫婦そろっての晩酌タイムがお互い楽しみであれば何の問題もありませんが、どちらかは一切飲まないけれどどちらかはお酒が強い…というケースで悩みの種に。
「この一杯があるから仕事が頑張れる!」という気持ちと、
「生活必需品じゃないのに…これがなくなればもう少し食卓が豪華にできるのに…」という気持ちはどちらも間違いではないですよね。
all-or-nothingではなく、健康面からも程よい酒量になるように設定しましょう。
日常の買い物で一緒に購入するか、自分で選びたいかも併せて確認しましょう!
一緒にスーパー行きたいくない!「お菓子代」
一つ一つの商品は決して高額ではないけれど、底値をチェックしながら食費を下げようとしている主婦の身としてはいらっとしてしまうのがお菓子の費用。
子どもと一緒になって「これ買って〜」なんて言われてイライラしたりしていませんか?
家計に大ダメージ、というほどでなければリクリエーションの一つだと思って一緒に楽しんでは?
というのも、ここまで厳密に個人のお金にラインを引きたいのであれば、自分が使うときにも同じような厳しさが必要ですよね。
小さな額に振り回されて、イライラを溜めてしまっていないか、振り返ってみましょう!
英会話に資格取得。給与アップのための「勉強費」
昇任のための社内試験やTOEICなど、サラリーマンにとって勉強は給与にも関係する大切な投資です。
前向きに取り組めるように、サポートしてあげたいところ。
例えば忙しい夫に代わって参考書やスクール選びの資料をあつめたり、合格するためのノウハウを調べたりしてみましょう。
じぶんも費用について納得して、気持ちよく応援してあげましょう!
旦那のお小遣いはどう渡す?現金?電子マネー?クレジットカード?
お小遣いとしてなにを予算に含めるか決まったら、渡し方も一緒に話し合いましょう。
現金はオールマイティですが、ポイントが付く電子マネーや大きな出費にも対応できるクレジットカードなど、いろいろな方法があります。
- 何に支出することが多いのか
- 無駄遣いはしがちかどうか
- 家族みんなで集中して貯めたいポイントがあるか
など総合的に考えて検討してください!
やりくりを任せていい旦那、ダメな旦那
最後に考えたいことが、一番の悩みポイントになるのかもしれません。
それが「お小遣いのやりくりを旦那に完全に任せていいの?」ということです。
基本的に範囲の中で何にお金を使うかについては、
個人の自由に任せるべきですが、時々お財布チェックしないと家計に大ダメージを与えてしまう「残念な夫」も存在します。
- つい気が大きくなってクレカを限度額まで使ったことがある
- 目先のポイントにつられてリボ払いをえらんでそのままの状態になっていた
- 月の半分も経っていないのに毎月使い切ってしまう
- 誘われたらことわれなくて、数年会っていない昔の友人の一人結婚式すら毎回参加する
- じぶんのスマホ代がよくわからない
こんな旦那さんなら、奥様が定期的にチェックしておくのもアリかもしれません。
そんな細かいことを気にしなくても平気なくらいたくさん稼いできてね…と応援するのも、ビシビシ金融リテラシーを叩き込むのもどちらも結局旦那様のタイプによります。
…ではなく、定期的に話し合いをするのがおススメです!